感じるもの

シルク・ドゥ・ソレイユ OVOがサーカスを超える理由

OVO
OVO

やや肌寒い6月のある日、お台場でこれ観る機会に恵まれました。

OVO、オーヴォです。
OVOは、ポルトガル語で『卵』という意味で、生命のサイクルを象徴しているようです。

今回の記事は、まずは直接の感想とともに、世界中で人気のあるこの空間・場がいったいどのような意味を持つのかをちょっと考えてみます。

驚異的な身体能力の役者によるドラマ

私は不勉強丸出しながら、最初昔ながらのサーカスの一団、という認識をしていました。
例えば、ボリショイサーカスとか中国雑技団といったイメージです。

サーカスという言葉のもたらすイメージは、古い言葉でいうと;
「曲芸」というものです。

つまり、瞬間の技を連続して見せる、といったものでそれはそれで間違いではないのですが、あまりにドライな言い方じゃないですか、これでは。。。

確かに、超人的な身体能力がもたらす「曲芸」は半端ではありません。

そこには映画とは異なる緊張感があり、演劇やミュージカルとも違う緊張感が存在します。

セリフの代わりに、磨き抜かれ極限かと思わせるほどの全身運動で表現する迫力は言葉がなくてもそれを圧倒するものです。

因みに、OVOでは言葉も歌もメロディもありますよ。
もちろんそれらは、身体表現をさらに効果的に演出しています。

とにかく巨大テントの中が暗くなり、舞台にスポットライトが照らされる瞬間から最後の最後まで魅入ってしまい、手を叩きっぱなしだったですね。

若い男女に限らず、むしろ脳の活性化の意味でも年配の方々に是非ご覧になって欲しいと思いました。

ストーリーのインパクト

それで重要なのはここからです。

原色のド派手な彩飾も昆虫の世界ならばなぜか普通に思えます。
さらに、動作のひとつひとつが華美な衣装をまとうことによって、より華麗に見える効果ももたらす

人ははるか昔から物語が好きな動物です。

OVOはシルク・ドゥ・ソレイユ初の女性演出家、デボラ・コルカー氏によるファンタジーであり、何よりここが素敵なのですが・・・シンプルな分かりやすいストーリーに徹しています。

子供から大人まで通じる世界。
その点では、ディズニーとも近い。
リアリティが、生々しさが薄められ、客観性的な少し遠い場所からの視点が生まれる場であるとも感じました。

そして・・・ネットの世界とも共通点があります。
まずバーチャルな世界です。

仮想現実を、並外れた身体能力を持つ人=リアルが演じていますが、実はその仮想現実の世界がリアリティーを凌駕し、より真実味を帯びてきます。

なぜそうなのか?

そこに、わかりやすいストーリーが土台になっているからです。
そのストーリーに沿って驚異的な、同時にハラハラドキドキしながら演技が続きます。

さまざまなアクロバティックな演技が繰り出される中で、例えばANTS(アンツ)たちがどの虫一匹も外れることなく、同調した演技をこんな風にクルクルやったりします。

OVO ANTS

そこには、誰かが失敗しても決しておかしくないとどこかで心配する自分もいるのですが、何よりすごいのは;
失敗の無いリアルタイムな演技

が見せる緊張感と感動です。

OVOの出て来るまで、少なくとも日本ではこの単語で検索されることはほとんどなかったわけですが。。。

しかし今は検索されています。
OVOが誕生してSNS、電車のつり革広告、コンビニでの広告、雑誌などさまざまな媒体から拡散が進んでいます。

リアルなものがネットで拡散して、リアルな演技を観賞してそこからまたネットで広がるというバズが起こっています。

検索されたことの無い単語が検索されるようになる。
新しいインパクトのあるものはこうして広がっていきます。

今後のOVO公演予定

ダイハツ OVO
お台場では難を言うならば、気温のやや低かった東京では冷房が効きすぎの感じでした。

前半一時間、休憩30分、後半一時間。
休憩時間の屋外トイレは、どこでも見かける風景ながら長蛇の列です、女性トイレの話です。

東京公演はもう終わりましたが来年の春までこんな予定です。

・中之島ビッグトップ  公演日程:2014年7月17日(木) ~ 10月14日(火)
・名古屋ビッグトップ  公演日程:2014年11月20日(木) ~ 2015年2月1日(日)
・仙台ビッグトップ   公演日程:2015年4月23日(木)~6月7日(日)
・福岡ビッグトップ   公演日程:2015年2月20日(金) ~ 2015年4月5日(日)

  • この記事を書いた人
KENBO

wildmonmon

ネットとリアルにまたがって雑談書いてます。 まれに、思い出したかのように、 役に立つかもしれないことを書きます。

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