なぜにこれほど目が点になるほどに、そこに行くのだろうか・・・
こう感じ、同時にそのアンサーが降りてきた思いがしたのが、
写真集「切断ヴィーナス」でした。
この本ですが、義肢装具士・臼井二美男氏の仕事をフォトグラファー越智氏が綴ったもので11人のビーナスが登場します。
衝撃でした、とにかく。
再生とか蘇るとか着飾った言葉ではあらわせない、女性ならでは強さと美しさをここまで芸術的に表現した作品を観たのはついぞなかったように感じております。
上手く言えないのですが、足を失った女性の執念と、そこに臼井さんだけがもつ技術と溢れんばかりの強い情念・・・
これが混ざり合って、あきらめていたことが覆り、そのプロセスに熱いものとそして結果にもなぜか壮絶な美を感じます。
「走れる!好きな靴が履ける!お御輿が担げる!あきらめていた夢が、一つずつ叶っていきます」
もう彼女たちのイキイキした表現に、ただただ熱い思いで満たされてきます。
内藤順さんによるこの記事はぴか一です。
『切断ヴィーナス』 - もっと高く、もっと遠くへ、そしてもっと美しく。
私たちは・・・両足のあるあなたは、普段、もし街で義足ビーナスにばったり出会ったら、直視できるか。まっすぐそのエネルギーを受け止められるか。
女性と義肢装具師だけではなく、そこに少なくとも両足に何不自由ない人々の見方、受け止め方を鋭く問われている写真集だとも感じました。
そして・・・おそらくですが、この技術、試みは将来はもっと一般的に広がっていく可能性があります。
臼井二美男さんのノウハウの一部にしろコンピュータテクノロジーがそれを担う可能性があります。
この本、息を止めたまま一気にページをめくり、そしてその後ボーっとなったほどのインパクトでした。
きっとあなたにも問われています。
どのように見るのか?どう受け止めたか?
ということです。
私は率直に言って、これを・・・著者(写真家)、義足装具氏、そして何より当事者である女性たちのエネルギーと美をストレートに感じました。